ウィンブルドンの歴史に残る壮絶な準決勝
ウィンブルドン決勝は、ノバク・ジョコビッチ vs ケビン・アンダーソンとなった。
ウィンブルドン決勝での初顔合わせだ。
ケビン・アンダーソンは、準決勝のジョン・イズナー戦を7-6、6-7、6-7、6-4、26-24と
6時間36分の激戦を勝ち上がってきた。
第1セットから第4セットまでの合計が49ゲーム、第5セットだけで50ゲームの壮絶な試合だった。
1日で2試合戦ったのと同じようなゲーム数だ・・・。
一方のノバク・ジョコビッチ、ラファエル・ナダルとの準決勝の試合開始が、
このロングマッチの後で開始された。
この日、セットカウント2-1とジョコビッチがリードしたところで23時以降は順延という
大会規定により順延となった。
翌日試合が再開され、結果は4-6、6-3、6(9)-7、6-3、8-10でジョコビッチが死闘を制した。
ジョコビッチとナダルの試合でも第5セットはタイブレーク無しで、2ゲーム先行するまで
決着が着かないマラソンマッチに突入。2セット分のゲームを行ない2日間にわたる試合に決着がついた。
特にジョコビッチとナダルの対決は、毎回驚かされる。
激しい闘志と意地のぶつかり合いになって2人ともどんなにピンチでも諦めないで走りまくる。
壮絶な試合になる。
ウィンブルドンの歴史に残る激闘、名勝負をした選手達を本当に尊敬する。
名勝負の陰に存在する犠牲
しかし、本当にそれで片付けてしまっていいのか疑問も残る。
2010年のウィンブルドンでは、ジョン・イズナーとニコラ・マユの1回戦のスコアは、
イズナーの6-4 3-6 6-7(7) 7-6(3)、そして第5セットはなんと70-68!
3日間にわたって11時間5分の激闘となり、史上最長時間試合となっている。
第5セットはタイブレーク無しというルールだけど、タイブレークで決着をつけると
いうルールに変更するべきだと思う。
グランドスラムでは全米オープンだけは第5セットでもタイブレークを導入している。
選手達の立場でコンディションのことを考えれば、運営サイドに文句を言いたくなるのも当然だ。
観客が観たい一流選手のプレーを年中試合を行なって世界中を転戦する。
これは観客にとっては嬉しいことだ。
しかし、違う側面から考えると選手が過酷なツアーのせいで怪我や病気をして
コートに立てなくなれば、ツアー自体が成り立たなくなる。
選手達は消耗品ではない。
ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチ、アンディー・マレー、
スタン・ワウリンカ、錦織圭・・・。
過去10年テニス界を盛り上げてきた選手達は、この過酷なスケジュールが原因で怪我をして
長期間ツアー離脱を余儀なくされた経験がある。
このことはテニス界にとって利益になっていない。
一流選手との共存共栄こそがテニス界の発展に繋がる
これだけ凄い試合ができる名選手達の健康面に配慮することは、最終的にはテニス界に
とっても利益になるはずだ。
選手は血の通った生身の人間だ。
生身の人間が、自分の生き様を見せながらコートで戦う姿が感動を呼ぶことも多い。
それを楽しみに試合を観る観客と視聴者。
グランドスラムという商業的な側面とそれを支える一流選手達。
バランスは保ちながら大会運営をする必要があるが、長時間の試合、炎天下での試合、
過密なスケジュール。
そろそろグランドスラムの未来ににとって、何が一番大切なのか真剣に議論する時期に
差し掛かっているのではないだろうか・・・。
グランドスラムの価値を上げている選手達の健康・・・このことにもっと配慮すべきではないだろうか。
いよいよ今夜は、ウィンブルドン男子シングルス決勝。
これだけ過酷な戦いを勝ち抜いてきた選手達に敬意を表して、怪我の無いように最後まで
戦って欲しいと心から願っている。
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